関宿にある而今禾(ジコンカ)のオーナーの恭子さん夫妻と小青柑作りを目指して昨年1月末に日本からは私を含め6人で台湾視察旅行に行きました。
ジコンカさんの台北店もあることから小青柑作りの第一歩は栽培から茶芸に至る台湾のお茶を知ることからということでした。
台湾の茶農家を訪ね、台湾茶をいただいた
有機栽培された白茶
その前後に発酵茶を作りたいが、いい茶畑はないか、できれば耕作放棄地を活かして無農薬有機栽培をしたいと頼まれていました。茶農家の仲間に聞いてみると一ヶ所あてがあるということで案内してもらいました。
そこは私どもの亀山市辺法寺町から更に標高の高いところでありながら車で10分以内で道路に横付けできるほどアクセスがよく、しかも不思議とつる草などが繁茂せず綺麗に空に向かって伸びていました。
風光明媚かつアクセス良しの茶畑、遠くに見えるのは新名神
隣のお茶農家の方が周辺の手入れをしていたのかもしれません。
品種を聞いてみると F 4(えふよん)という品種でした。
亀山で紅茶作りが盛んだった頃から緑茶に移行する過程で緑茶としても紅茶としても製造でき、現在の一般的な品種のやぶきた等と比べると異様に葉が大きいのが特徴です。
昨年初めて白茶と紅茶をつくりましたが標高の立地もあり味わい深くまろやかなお茶が取れました。
F 4とはどんな品種だろうと茶業研究室などにもあたってみましたが他の品種に比べて極端に資料が少なく
検索しても 「花より男子」のF4が出るぐらいです。
もしくは三重県の亀山紅茶を紹介したホームページのヒストリーのページの昭和43年に
「べにほまれ、はつもみじ、F4 、印雑等の紅茶品種を用いた緑茶製造への切り替えが始まる。」とあるだけです。
それまでに紅茶品種として栽培されていたのを緑茶として製造するようになったということなのでしょう。
三重県 亀山紅茶のホームページ
発酵茶を摘んだ耕作放棄茶園となりの茶畑と比べるとその高さは歴然だ
あまりにも資料が少なく
犯人の足取りが途切れたかのように思っていたある日、紅茶づくりのために紅茶の資料をあたっていたら一昨年の10月に尾張旭市で開催された紅茶フェスティバルで亀山kiseki
の会で一緒に活動している普及員の野村氏が発表した資料をスマホで撮影した紅茶品種の系統図を何気に見ていたら下の方に F 4という文字があるではないですか。
肝心なところは光って見にくいですが、台湾蓮花池から種子導入 台湾山茶から選抜と書かれています。
日本産紅茶品種の系統図
三重県普及員、亀山kisekiの会の野村氏作成
つながった!台湾と亀山が、50年前と今が。
この F 4の茶畑はこの高さを生かしたまま整備していきたいと思っています。何かしらこの姿に意味があるのではないかという気がしてきました。而今禾の恭子さんにもそう提案しました。
F4の茶葉、大型の葉だ。
昨年つくってみた小青柑(しょうせいかん)